高麗人参は、古来よりよく知られているウコギ科の多年草で、薬用植物として日本では江戸時代から利用されています。市販されている食用の人参はセリ科であり根本的に高麗人参とは別物であります。
高麗人参は栽培された物より天然物のほうが薬効成分が高いと言われ、現在でも天然物は高値で取引されています。利用法としては、乾燥させたもの、蒸したもの、煎じてお茶として飲むもの、料理に加えるもの、蜂蜜やお酒に漬け込むものなど、様々な方法で利用されています。
ここでは最も一般的な、乾燥による利用法をピックアップしていきます。高麗人参の有用成分は、ジンセノサイドと呼ばれるもので、サポニンというステロイド種の一つです。これらは多くの植物にも含まれていますが、ジンセノサイドは高麗人参特有の成分です。
高麗人参の加工方法と種類ですが、皮をはぎ天日で干したものは白参と呼ばれています。皮をはがずに湯通ししてからそのまま干したものは紅参と呼ばれ、濃い砂糖水に漬け込んでから天日干しさせる糖参というものもあります。中でも紅参がもっともサポニンの含有量が多く、最高級とされているようです。
漢方学の見地から言うと、煎じて飲むのが一番良いと言われています。煎じるときに、水の量が少ないとサポニンがしっかり溶け出さないので、多めの水で煎じることをお勧めします。また、一緒にショウガなども煎じるといいようです。一度煎じても2~3回は使えますので、捨てないように注意してください。煎じた後も、しっかり蓋のある容器で保存していれば有用成分は失われないので、冷蔵庫で保管し、その都度温めて飲むといいでしょう。
高麗人参の薬効としては、糖尿病や動脈硬化の予防、滋養強壮に効果があり、古くから服用されています。また、自律神経の乱れを整える作用もあります。他の漢方と併用して服用することにより、相乗効果も期待でき、単体のみの使用だけでなく併用して利用されることも多いです。
高麗人参にも様々な種類があるので、専門書やインターネットなどを利用して自分に合ったものを選ぶといいでしょう。